国立がん研究センターがこのほど発表した多目的コホート研究の結果から、WHOのガイドラインが定める身体活動(運動)量よりも少ないケースでも、死亡リスクが低減することがわかった。
調査は、1990年と93年に全国11地域に在住していた50~79歳の男女8万1601人を対象に、2018年まで追跡。仕事中・余暇中の身体活動と死亡との関連性を調べた。
その結果、WHOガイドラインで推奨される運動量(1.5~2.9METs時/日、ウォーキングで1日30~60分程度)を実施しているグループでは、18%ほど総死亡率が低減していた。
ガイドラインが推奨する量未満のグループ(0.01~1.49 METs時/日)であっても、まったく実施しないグループと比べて総死亡で約11%、心疾患死亡率で約14%低減していた。
また、日本の身体活動ガイドラインが推奨する「毎日60分以上の中高強度身体活動(4.5 METs時/日)」よりも多くの量の身体活動を実施した場合、よりリスクが低減することがわかった。
中高強度身体活動の量によって分けた11グループのうち、死因別死亡率が最も低くなるグループでは、総死亡率で35%(9~11.9METs時/日)、心疾患死亡率で55%(9~11.9METs時/日)、がん死亡率で22%(24~35.9METs時/日)、脳卒中死亡率で44%(9~11.9METs時/日)、呼吸器疾患死亡率で38%(9~11.9METs時/日)の低減率が見られた。
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