トクホ制度の運用緩和へ通知改正

「食」の機能性

 特定保健用食品(トクホ)をテコ入れするため、消費者庁は6月8日、トクホの改正通知案を公表した。規格基準型トクホや疾病リスク低減表示の運用を緩和する。来月7日までパブリックコメントを募集し、7月中をめどに通知を改正する。

 規格基準型トクホは、許可件数が一定数以上ある「関与成分と有効性の組み合わせ」を対象に、審査手続きを省略できるメリットがある。しかし、これまでは1つの組み合わせにつき、1つの有効性しか表示できなかった。今回の改正により、関与成分の「難消化性デキストリン」を対象に、3種類の有効性を複数表示できるようにする。

 3種類の有効性を1商品に同時に表示することも可能。この場合、「お通じが気になる方に」「食後の血糖値が気になる方に」「食後の中性脂肪が気になる方に」の旨を商品パッケージに記載できる。

 疾病リスク低減表示は、具体的な疾病を挙げて、罹患するリスクを抑える旨を表示できる。改正により、う蝕(むし歯)の有効性の根拠に、「プラークpHの変化」「脱灰と再石灰化の程度」を指標としたデータの利用が可能となる。

 疾病リスク低減表示については、有効性の表現方法も変更する。これまでの「〇〇(疾病名)のリスクを低減するかもしれません」を「○○のリスクを低減する可能性があります」に改める。

(木村 祐作)

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