加工肉の摂取量が多いと急性骨髄性白血病や骨髄異形成症候群のリスク上昇

「食」の機能性

 国立がん研究センターが発表したコホート研究の結果によると、加工肉の摂取量が多いグループでは急性骨髄性白血病(AML)や骨髄異形成症候群(MDS)のリスクが高い傾向にあった。

 研究グループは、1995年と98年に全国の10地域に在住していた45~74歳の男女で、がんの既往歴のない9万3,366人を2012年まで追跡。調査結果に基づいて、肉類・魚類、脂肪酸の摂取とAML、MDSの罹患リスクとの関連を調べた。

 追跡期間中(平均14.4年)に67人がAML、49人がMDSに罹患した。加工肉の摂取量が多いグループでAMLまたはMDSのリスクが高くなることがわかった。そのほかの肉類、魚類、脂肪酸の摂取量とAMLまたはMDSのリスクとは関連が認められなかった。

 赤肉や加工肉とAML、MDSとの関連が見られなかったという欧米の研究と異なり、今回の研究で加工肉についてAMLまたはMDSのリスクが高かった理由として、加工肉の摂取量が日本と欧米で異なる点などを指摘している。

 魚の摂取について、欧米の研究を中心とした複数の研究をまとめたメタアナリシス研究では、魚の摂取量が多いとAMLの罹患リスクが高くなると報告されている。今回の研究では、魚の摂取量との関連は見られなかったが、その理由として、摂取量、摂取する魚、産地の環境汚染などの違いによる可能性を挙げた。

 脂肪酸摂取とAML、MDSの罹患リスクについては、先行研究でも関連が見られておらず、今回の研究でも同様の結果となった。

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