【寄稿/第17回】腸内細菌学会の学術誌にヒト試験の査読付き論文掲載

寄稿・ブログ

(株)光英科学研究所 代表取締役会長

村田 公英 氏

乳酸菌生産物質に関するヒト試験の成果を論文化

 当社はこの度、2年前から実施していたヒト試験で、乳酸菌生産物質を摂取することにより腸内細菌叢が変化し、腸内環境を正常にコントロールすることにつながる可能性が示唆されたことから、研究結果を(公財)腸内細菌学会の学術誌に投稿し、査読付き論文として掲載された。

 腸内細菌学界の大御所であられた東京大学名誉教授(故)光岡知足先生のご存命中から、筆者はこの試験を実行するよう先生から常々勧められていた。このように査読付き論文として発表できたことを、大変喜ばしく思っている。

乳酸菌生産物質の機能性を確信

 さて、筆者は乳酸菌生産物質の研究を長年に渡り続けてきたが、今回の試験の結果から乳酸菌生産物質の機能性について、さらなる確信を持つことができた。

 今回のヒト試験により、乳酸菌生産物質の摂取によって腸内フローラの善玉菌が有意に高い値を示し、悪玉菌が統計学的に有意に減少している結果が得られた。

 このように、乳酸菌生産物質が善玉菌と悪玉菌のバランスを整えて腸内フローラをコントロールし、腸内環境の正常化に寄与していることが、ヒト試験で示唆されたことは大変重要なことと考えている。

 つまり、乳酸菌生産物質の多種多様な機能性を持った成分が、体内の機能を正常な状態に維持することに貢献しているということである。

乳酸菌・ビフィズス菌の代謝物の可能性を示唆

 今回の研究結果は、乳酸菌・ビフィズス菌の代謝物の大きな可能性についても、示唆する結果となった。まさに、光岡知足先生の提唱されたバイオジェニクス論が実証された結果になったと思っている。

 今後はさらに、乳酸菌生産物質の多種多様な機能性を持った成分が、腸内フローラの正常化のみならず、腸内フローラを介さずとも身体に直接作用するメカニズムについて研究を続けていく考えである。

 以前、この連載で「二刀流」の話をした。昨年のアメリカメジャーリーグのMVPに、二刀流の大谷翔平選手が選ばれたが、健康食品界のMVPは乳酸菌生産物質だと思っている。

 最近は乳酸菌がつくり出した単一成分を原料としたサプリメントが上市されているが、丸ごと総合的に健康に寄与する機能を有するのは、乳酸菌生産物質をおいて他にはないと、自負している。

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