(株)光英科学研究所 代表取締役会長
村田 公英 氏
異なる栄養物の摂取方法
今回は当社の大型発酵タンクの働きを、私たちの大腸にある自前の発酵タンクと比較しながら話を進めていく。どちらの発酵タンクも健康に有益な代謝産物をつくり出すことは同様であるが、発酵のメカニズムに相違点がある。

まず、腸内細菌の栄養物(エサ)の摂取方法が異なる。腸内発酵タンクの場合は、腸の内壁にびっしりと定着して連続培養を行っている腸内菌のチームが、小腸から供給された栄養物をそれぞれ自分たちのチームに適合したものを取得して、発酵を続けていると考えられる。
従って、腸内発酵チームには小腸から供給されてくる栄養物に対する選択肢があるが、工場の発酵タンクの場合は栄養物である豆乳が大量(2,000kg)に用意されたタンクの中に16種35株のチームを添加して発酵をスタートさせるので、栄養物に対する選択肢がないために特別製の豆乳が必要であり、16種35株のチーム編成が最適な働きをするような製造技術が求められる。
そのため、多種多様な代謝産物をできるだけ大量に生産するチーム編成になっている。
タンク内での編成チームの動向を設定

これには、マザースターター(元菌類)からバルクスターター(編成菌群)に至るまで直径1.5mの円筒形状の培養タンク内での編成チームの動向を設定することにより、常に定量の代謝物の生産が可能となった。
試験管レベルの共棲培養システムをそのまま大型発酵タンクレベルにまで簡単に移行させることは不可能である。
長い年月をかけてそれを可能にして、多くの方々に乳酸菌生産物質を愛用いただけることを、ぜひとも理解してもらえればと思う。そして、大型発酵タンクの中で懸命に働いている「チームKOEI」に絶大なるエールを送ってほしい。
第50回/第51回
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