大麻取締法改正、CBDへの対応も論点

健康食品/サプリメント
大麻規制検討小委員会の冒頭

 大麻取締法を改正するため、厚生労働省は5月25日、「大麻規制検討小委員会」の初会合を開いた。今夏をめどに法改正のポイントをまとめる計画だ。

 同法は、大麻草の部位に着目した規制を行っている。花穂・葉・根などは同法の取り締まりの対象だが、種子と成熟した茎は規制の対象外。厚労省の案によると、現行の部位規制から成分による規制へ変更する考えだ。

 同法の改正に向けて、大麻草から製造された医薬品の承認、大麻草の成分であるCBDを配合した製品に含まれるTHCの濃度基準設定も論点に挙げた。THCは幻覚作用があり、大麻草由来のTHCは同法で規制している。

 出席した委員からは、CBD製品へのTHC混入を問題視する声が聞かれた。「わずかでも入っていると濃縮して活性化できる」、「低い濃度でも神経系に影響を与える」などと指摘した。

 CBD製品からTHCが検出されたとして、厚労省は3社の事案を公表済み。「リラックス効果」をうたってCBD製品を販売する違法行為も横行している。このため、若者などが薬物に興味を持つ“ゲートウェイ”になり得るという指摘もある。

 CBD製品に含まれるTHCの濃度基準を設定した場合、幻覚作用を求めて過剰摂取するケースが出てくる懸念もあり、慎重な検討が求められそうだ。

(木村 祐作)

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