機能性表示食品の届出を第三者の立場でチェックする(一社)消費者市民社会をつくる会(ASCON)のASCON科学者委員会は6月27日、「免疫機能の維持」をうたうキリンホールディングスの『キリン iMUSE professional プラズマ乳酸菌サプリメント』に対し、有効性の研究方法に疑義が寄せられたと発表した。
ASCON科学者委員会では、事業者が自社の届出資料を自ら評価した結果をチェックし、評価成績を公表している。事業者の「自ら評価」に対し、一般消費者や業界関係者から意見を公募し、その結果、同製品に対して疑義が寄せられたと説明している。
免疫と体調に関する全身の自覚症状への影響を報告した複数の研究論文について、被験者の累積発症日数の評価によって、プラズマ乳酸菌の摂取グループと非摂取グループの有意差を報告しているが、「統計解析方法が不適切」としている。
疑義では、グループで合算した累積発症日数は個人のバラツキが考慮されておらず、統計学的に有意差が出ても、一部の極端な人がどちらかのグループに片寄っていたことで、偶然出た可能性もあると指摘している。
疑義に対して、同社からは具体的な説明がなかったとし、ASCON科学者委員会は「この指摘を極めて重大なものと考え、具体的に回答すべきと信じます」との見解を示している。
(木村 祐作)
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