「ラムナジン」によるメラノソーム輸送阻害作用を確認

化粧品・美容関連

 ディーエイチシーはこのほど、フラボノイドの1種「ラムナジン」によるシミ抑制に関するメカニズムを解明したと発表した。

 メラノソームはRAB27A、ミオシンVA、メラノフィリンという3つの輸送関連タンパク質の複合体によって細胞内輸送されることが、これまでの研究で報告されている。輸送阻害を起こしたメラノサイトでは、細胞核の周りにメラノソームが凝集する。成分を探索した結果、複数のフラボノイド化合物を見いだし、その中の「ラムナジン」によるメラノソーム輸送の阻害機構について詳細を研究した。

 ラムナジンによるメラノソームの輸送阻害の要因を調べるため、これらのタンパク質の発現を調べたところ、メラノフィリンのみが顕著に減少することがわかった。さらに詳細を調べると、メラノフィリンはラムナジンを添加することで、タンパク質分解の目印であるユビキチン化が進んでいたという。

 このことから、ラムナジンはメラノフィリンのユビキチン化を誘発し、プロテアソームと呼ばれる装置によって、メラノフィリンの分解が促進されることで輸送に関わる3者複合体が解除され、その結果、メラノソームの輸送阻害が起きていることが示唆されたとしている。

 同社では、今回の研究結果を通じて、ラムナジンを活用した化粧品に配合可能な植物エキスの開発を進めていく予定という。

コメント