国立がん研究センターが発表したコホート研究の結果から、n-3系多価不飽和脂肪酸の摂取量が多い人で腎がんの罹患リスクが高くなる可能性のあることがわかった。
調査は、1995年と98年に全国の9地域に在住していた男女8万4,000人を対象に、約15年追跡した。
データを解析した結果、魚介類全体については腎がんとの関連はみられなかった。一方、n-3系多価不飽和脂肪酸の摂取量が多いグループでは、腎がんの罹患リスクが有意に高いことがわかった。
これまでに実施された先行研究では、魚類に含まれる脂肪酸は腎がんのリスク低下と関連すると報告。また、欧州の大規模なコホート研究や、複数の研究をまとめたメタアナリシス研究では、魚の摂取量と腎がんの罹患リスクとは関連がないと報告されている。先行研究と結果が異なった理由について、日本人は魚の摂取量が欧州に比べて多いことを挙げている。
メカニズムとしては、脂肪酸の過剰摂取で脂質が酸化されることにより、発がんに影響する可能性があると考察している。
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