【寄稿/第37回】「乳酸菌の責任」について

寄稿・ブログ

(株)光英科学研究所 代表取締役会長

村田 公英 氏

「乳酸菌は体にいい」と言われる所以とは?

 前回のブログに続き、今回も筆者の視点で乳酸菌の立場から見た事象について話をしたいと思う。

 6年前になるが、新聞の全国紙に、ある大手企業による「乳酸菌の責任」と題する新聞広告が掲載された。

 「乳酸菌は責任を持って健康に寄与します」という意味だと筆者は解釈して、2018年9月に当社ホームページに「腸内細菌と乳酸菌の責任」と題したブログ記事を掲載した(詳しくは筆者のブログをまとめた書籍「『乳酸菌生産物質』に賭けた人生②」を参照)。

 乳酸菌は私たちの腸内で働いて代謝産物をつくり出し、その代謝産物が人間の健康に関与している。これが「乳酸菌は体にいい」と言われる所以である。

 しかし、最近のテレビCMを見ていると、「乳酸菌だから体にいい」という漠然とした表現に説明不足感があるのが否めない。腸内の乳酸菌がつくり出す代謝物がよい、という「いきさつ」を消費者に説明する必要があると思う。

消費者が納得できる作用に関する説明責任

 最近、「説明責任」という言葉が各界で使われているが、食品業界においても、企業は消費者が納得するように食品の作用について説明をする責任(説明責任)があると筆者は思っている。

 乳酸菌の働きが健康に寄与する有効性は、菌体から代謝産物が産生されることによって得られていることを、食品業界の関係者、そして乳酸菌商品を愛用されている方々においては、速やかにアップデートされるよう切望する次第である。

 そして最後に、乳酸菌の立場から意見すれば、ヒトの健康については乳酸菌自体に責任があるというよりも、乳酸菌の本当の作用を知って使用する側に本当の責任があるのではないだろうか。これからも筆者は、乳酸菌の代弁者として発信を続けていきたいと思っている。

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