【寄稿/第25回】「菌活」という言葉を考察する

寄稿・ブログ

(株)光英科学研究所 代表取締役会長

村田 公英 氏

生きた菌を取り入れることが「菌活」?

 昨今、「菌活」という言葉が一般的に見聞されるようになった。インターネットで検索してみると、健康のために身体に良い菌を積極的に食べる活動とのことだ。

 そして、ヨーグルトや納豆・味噌などの発酵食品を取り入れたり、乳酸菌サプリメントを摂取したりすることと書かれていて、共通しているのは「体に良い働きをする、生きた菌を食事から取り入れる」とされている点である。

 しかし、本当の「菌活」は違うのではないか?筆者はあえて異論を唱える義務があると考え、以下に私論を述べたいと思う。

菌が代謝した物質にフォーカスする時代へ

 果たして、生きた菌を積極的に食べるだけで、「菌活」の目的が果たせるのだろうか。現代の乳酸菌の学術界に至っては、生きた菌の健康効果よりも、菌が代謝した物質に研究内容もフォーカスされている状況にある。

 科学的なエビデンスを持つ乳酸菌の機能性表示食品が増えてきている背景として、ここにポイントがあると考えられる。

 すでに、菌が生産した成分こそが人の健康に役立つと認識される時代になっている。このため、本当の「菌活」とはどのようなものかを改めて見つめ直す必要がある。

 8歳のころから乳酸菌生産物質を愛用し、正垣一義先生の下で乳酸菌生産物質の研究に従事し、そしてこの日本で「乳酸菌の花」を咲かせた筆者からの提言である。

 今年で83歳を迎えるが、乳酸菌生産物質で世界の人々の健康増進に貢献するために尽力して行くことに、残る人生を賭けている。

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