(株)光英科学研究所 代表取締役会長
村田 公英 氏
「共棲培養」によって代謝物を産生
今回も大腸発酵タンク(私は親しみを込めて大腸の働きを「大腸発酵タンク」と呼んでいる)の話を続ける。今回は「共棲培養」について話す。

さて、私が文献を調べていると、最近になり「共培養」という言葉が散見されるようになった。さらに調べてみて比較してみると、次のようになる。
・「共培養」は種類の異なる微生物を同じ培地に入れて培養することによって相互作用を調べたり利用したりする方法であり、混合培養と同じ意味で使われる。
・「共棲培養」は互いに共生関係を作ることを目的に、複数種の微生物を長期的、連続的に一緒に培養する方法にて得られた代謝物質を利用する。
このように同じ培養方法でも、スマートフォンに例えれば半導体などのひとつの部品と完成した商品ほどの歴然とした違いがあることがわかる。
人の大腸発酵タンクの中の腸内フローラを編成する複数の腸内細菌はチームになっていて、それが連続して「共棲培養」にて発酵を繰り返して代謝物をつくり出して体内に吸収されて健康を支えてくれている。
腸内細菌叢の構成は1歳半までに固まる
この共棲培養のための腸内細菌のチーム(腸内細菌叢)の構成は、生後6カ月頃までに菌の種類が出そろい、1歳半までの食生活でほぼ決定するとされている。

このメカニズムは自然の摂理のルールに従ったものと言われているが、菌の種類と構成は共棲培養の条件を満たすものになっているのに、私はいつも驚かされる。
このようにして出来上がった腸内細菌のチームのため、共棲培養を順調に続けられるように腸内環境を整える生活習慣を継続することが求められる。
「共棲培養」という言葉は先代の正垣所長により使い始められたが、残念ながら未だにメジャーな位置付けにはなっていない。
しかし、皆さまの大腸発酵タンクでは毎日自前の腸内細菌チームが共棲培養にて仕事をしてくれている。
このような形で健康を支えてくれていることに「ありがとう」と言ってあげてほしい。
第59回/第60回

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